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0.1. 平行線のfree_space
Vを内積⟨⋅,⋅⟩が定まっているR上のベクトル空間とする.
V上の2つの平行な直線P′(s)=p0+s(p1−p0),Q′(t)=q0+t(q1−q0)を考える.
ただし,p1−p0≠0, q1−q0=α(p1−p0)α∈R∖{0}とする.
この時,free space
Fϵ≡{(s,t)∈R2∣∥P′(s)−Q′(t)∥≤ϵ}は
空集合または,傾き1αの2本の平行線で囲まれた領域(横軸は$s$に対応)のいずれかである.
Proof
ps≡P′(s)と簡易表示をしてpsとQ′(t)との距離d(ps,Q′(t))を求める.
d(ps,Q′(t))2=∥q0+tα(p1−p0)−ps∥2=⟨(q0−ps)+tα(p1−p0),(q0−ps)+tα(p1−p0)⟩=α2∥p1−p0∥2(t+⟨p1−p0,q0−ps⟩α∥p1−p0∥2)−(⟨p1−p0,q0−ps⟩∥p1−p0∥)2+∥q0−ps∥2
また,ps+δ=P′(s+δ)=ps+δ(p1−p0)であるので,
d(ps+δ,Q′(t))2=α2∥p1−p0∥2(t+⟨p1−p0,q0−ps⟩α∥p1−p0∥2−δα)−(⟨p1−p0,q0−ps⟩∥p1−p0∥)2+∥q0−ps∥2
ここで,
Fϵ(s)≡{t∈R∣∥P′(s)−Q′(t)∥≤ϵ}={t∈R∣d(ps,Q′(t))≤ϵ}={t∈R∣d(ps,Q′(t))2≤ϵ2}
と定義すると,d(ps,Q′(t))2はtに関する二次式であり,d(ps+δ,Q′(t))2はd(ps,Q′(t))2をt軸の方向にδαだけ平行移動させたものになっている.ゆえに以下の2つのうちのどちらかが成り立つ.
(1)任意のs∈Rに対してFϵ(s)=∅である
(2)Fϵ(s)=[ms,Ms]とすると, 任意のδ∈Rに対して,Fϵ(s+δ)=[ms+δα,Ms+δα]が成立よってFϵは傾き1αの2本の平行線で囲まれた領域(横軸は$s$に対応)となる.
0.2. Lemma3(線分のfree_space)
P,QをR2上の線分とする.Pの端点をp0,p1としP:[0,1]→R2:s↦p0+s(p1−p0),Qについても同様に定義する.この時,free space Fϵ≡{(s,t)∈[0,1]2∣∥P(s)−Q(t)∥≤ϵ}は
L2のときintersection of unit square with an ellipse
L1,L∞のときparalleogram
いずれにせよconvexである.
Proof
P′(S):R→R2:s↦p0+s(p1−p0),Q′(t)についても同様に定義する.
また,f:R2→R2:(s,t)↦P′(s)−Q′(t)と定義する.このとき,
f(s,t)=(p1−p0,−(q1−q0))(st)+(p0−q0)=A(st)+b
where A=(p1−p0,−(q1−q0)), b=p0−q0
となるのでaffne mapの定義の(ex)より)fはaffine mapである.
また,Dϵ≡{x∈R2∣∥x∥≤ϵ}と定義すると,Fϵ=f−1(Dϵ)∩[0,1]2であることに注意する.
(1) P,Qが平行でないとき
p1−p0,−(q1−q0)は一次独立であるのでAはinvertible.よって,$f$の逆写像f−1:R2→R2:y→A−1(y−b)が存在しアフィン変換.
L2の場合楕円のアフィン変換は楕円であるのでf−1(Dϵ)は楕円である
L1,L∞の場合Dϵは平行多面体(parallelepipeds)であり平行多面体のアフィン変換による像は平行多面体平行多面体)であることからf−1(Dϵ)も平行多面体である.
(2) P,Qが平行であるとき
任意のs∈Rに対して
ps≡P′(s)=p0+s(p1−p0)
gs:R→R2:t↦(q0−ps)+t(q1−q0)
Dϵ(s)≡{t∈R∣∥Q′(t)−ps∥≤ϵ}={t∈R∣∥gs(t)∥≤ϵ}
と定義するとDϵ(s)はIntervalである.
実際,任意の,t1,t2∈Dϵ(s)と任意のλ∈[0,1]に対して,任意のR上のベクトルは凸関数であることに注意すると,
∥gs(λt1+(1−λ)t2)∥=∥(q0−ps)+(λt1+(1−λ)t2)(q1−q0)∥=∥λ{(q0−ps)+t1(q1−q0)}+(1−λ){(q0−ps)+t2(q1−q0)}∥≤λ∥(q0−ps)+t1(q1−q0)∥+(1−λ)∥(q0−ps)+t2(q1−q0)∥=λ∥gs(t1)∥+(1−λ)∥gs(t2)∥≤max{∥gs(t1)∥,∥gs(t2)∥}≤ϵ
より,λt1+(1−λ)t2∈Dϵ(s)であるのでDϵ(s)はIntervalである.また,
∥gs(t)∥=∥(q0−p0)+t(q1−q0)∥≥|t|∥q1−q0∥−∥q0−p0||
であり,q1−q0≠0であるので,∥q1−q0∥>0であるのでDϵ(s)は有界である.
次にDϵ(s)≠∅ならば上限を含むこと背理法で示す.
t1≡supDϵ(s)と定義して,t1∉Dϵ(s)と仮定して矛盾を導く
h:R→R:t↦∥gs(t)∥と定義するとgsと任意のnormはcontinuousなのでその合成写像であるhも連続.t1∉Dϵ(s)であるのでϵ<∥gs(t1)∥であることに注意するとt1での連続性からδ>0が存在してt1−δ<t<t1ならばϵ<∥gs(t)∥が成立するがこれは上限の定義に矛盾. よってt1∈Dϵ(s)である.
下限に関しても同様の議論が行えるのでDϵ(s)は空集合もしくは閉区間である.
また,P,Qは平行であるのでα≠0を用いてp1−p0=α(q1−q0)と表される.任意のδ∈Rに対して,ps+δ=ps+δ(p1−p0), gs+δ(t)=(q0−ps)+(t−δα)(p1−p0)であるので,
Dϵ(s)=[m,M]ならばDϵ(s+δ)=[m+δα,M+δα]であるので,f−1(Dϵ)は傾きαの2本の平行線に囲まれた閉領域
Dϵ(s)=∅ならばDϵ(s+δ)=∅であるのでf−1(Dϵ)は空集合
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