[TOC]
1. 概要
About this book
2. 証明補足
2.1. 1Measure
2.1.1. 1-5Problem
Problem1-9
k次元実ベクトル空間は任意の開集合は加算個の開区間(open interval)で表される
Rkの任意の開集合は加算個の開区間(open interval)で表される.
Proof of (a),(b)
任意にRkの開集合Uをとる.
UQ≡{x∈U∣any elemen of x is rational number}
UR≡U∖UQ
と定義する.
また写像f:UR→UQを次のように定義する.
x∈URをとるとUが開集合であることからϵx>0が存在し
(x1−ϵx,x1+ϵx)×⋯×(xk−ϵx,xk+ϵx)⊂U
とできる.
また,実数の稠密性から以下を満たす有理数yがとれる.
y∈(x1−ϵx/3,x1+ϵx/3)×⋯×(xk−ϵx/3,xk+ϵx/3)
これを1つ固定し,f(x)=yとする.
このとき,
If,x=(y1−2ϵx/3,y1+ϵx/3)×⋯×(yk−ϵx/3,yk+ϵx/3)
とすると,y∈If,x∈Uを満たす.
また,任意のy∈UQに対してUが開集合であることから以下を満たす開区間Iyがとれる.
Iy=(y1−ϵy,y1+ϵy)×⋯×(yk−ϵy,yk+ϵy)⊂U
ここでϵy>0である.
このとき以下が成立(証明略)
U=⋃y∈UQ(⋃x∈f−1(y)If,x)∪Iy
ここで,If,x,Iyはyを中心とした開区間の和集合であるので,(⋃x∈f−1(y)If,x)∪Iyもyを中心とした開区間の和集合である.また,加算集合の有限個の積集合も加算集合であるのでUQも加算集合.ゆえに,Uは開区間の加算個の和集合でかける.(特にϵを有理数でとると,開区間の端点が有理数であるようにできる)
R上の開集合は高々加算個の互いに素なの開区間の和集合で表される.
Proof of (c)
有界な開集合U∈Rについて考える.(有界でない場合も同様)
任意のx∈Uに対して,ax,bx,Ixを以下のように定める.
ax≡inf{y∈R∣[y,x]⊂U}
bx≡sup{y∈R∣[x,y]⊂U}
定義よりax<x<bxであるのでIx≡(ax,bx)を定義できる.
このとき定義よりIx⊂Uが成立することに注意すると,
⋃x∈UIx=U
また,
Ix≠Iy⇒Ix∩Iy=∅である.
対偶を示す.
Ix∩Iy≠∅とする.
任意のz∈Ix∩Iyに対してIの定義よりIx=Izとなる.
実際,ax<azとすると,ax<a<azを満たすaに対して,axの定義より,[a,x]⊂Uであり, min{x,z}>b>bxを満たすbに対して,bxの定義より,[x,b]⊂Uであるので[a,z)⊂[a,b]⊂U.これはazの定義に矛盾.ゆえに.ax=az.同様にbx=bzも示せるのでIx=Izが成立.
同様の議論技Iyにも成立するのでIy=Iz=Ix
よって対偶が示された.
またU上に以下の同値類を定める.
x,y∈Uに対してx∼y⇔Ix=Iy
このとき,
⋃x∈U/∼Ix=U
である.
また,x,y∈U/∼(x≠y)に対してIx∩Iy=∅であるので,
をx∈U/∼に対してf(x)を区間Ixに含まれる有理数と定めた写像f:U/∼→Qは単射である.ゆえに,U/∼は高々加算個であり,またIxは互いに素な開区間である.
Problem1-18
Let Ω≡N,F=P(Ω), and An={j:j∈N,j≥n},n∈N. Let μ be the counting measure on (Ω,F). Verify that limn→∞μ(An)≠μ(⋂n≥1An)
(Proof)
μがmeasureになる証明>濃度を表す関数は測度である
任意の自然数nに対して,Anは無限集合Nから有限集合(nより小さい自然数)を除いたものなので,無限集合である.ゆえに任意のnに対してμ(An)=∞であるので,(左辺)=∞.
一方,⋂n≥1An=∅であるので右辺=0.
このことから,Prop1.2.3(i)の仮定である自然数n0に対してμ(An0)<∞ を満たさないと,limn→∞μ(An)≠μ(⋂n≥1An) となる場合がある.(Prop1.2.3(i)の結果を満たさない)
Problem1-19
Let Ω be a nonempty set and let C⊂P(Ω) be a semialgebra. Let
A(C)≡{A:A=K⋃i=1Bi:Bi∈C,i=1,2,…,k,k∈N}
(a) Show that A(C) is the smallest algebra containing C
(b) Show σ⟨C⟩=σ⟨A(C)⟩
(c)追加 For any A∈A(C), there exist disjoint {Bi}Ki=1⊂C(K∈N) such that A=⋃Ki=1Bi
Proof
C≠∅と仮定する.(これは必要)
このとき, ∅∈Cであることは容易に示せる(証明略)
(a) algebraであることを示す.
(a1) Ω∈A(C)
(c1) A,B∈A(C)⇒A∩B∈A(C)
は容易に示せる. (証明略)
(b1) A∈A(C)⇒Ac
を示す.
任意にA∈A(C)ととると仮定より,A=⋃Ki=1Bi(Bi∈C)と表せる.
また,Cがsemialgebraであることから,
Bci=Ni⋃j=1Cij(Cij∈C,Cij∩Cij′=∅ for j≠j′)
と表せる.ゆえに,Cij∩Cij′=∅ for j≠j′であることを注意すると,
Ac=(K⋃i=1Bi)c=K⋂i=1Bci=K⋂i=1(Ni⋃j=1Cij)=(C11∩C12∩⋯∩C1N1)∩(K⋂i=2(Ni⋃j=1Cij))=N1⋃l1=1(C1l∩(K⋂i=2Ni⋃j=1Cij))=N1⋃l1=1K⋂i=2Ni⋃j=1C1l1∩Cij
上の式において,
⋂Ki=2⋃Nij=1C1l1∩Cijに対して同様の処理を再帰的に繰り返すことによって以下が得られる.
Ac=N1⋃l1=1N2⋃l2=1(K⋂i=3Ni⋃j=1C1l1∩C2l2∩Cij)=N1⋃l1=1N2⋃l2=1⋯NK⋃lK=1C1l1∩C2l2∩⋯CKlK∈A(C)
ゆえにA(C)はalgebraである.
(a) 最小性を示す.
FをCを含むalgebraだとする.
もしB1,B2,…,BK∈C(K∈N)が存在して,⋃Ki=1Bi∉Fだとする.
仮定よりFはCを含むので,Bi∈Fである.
また,Fはalgebraであり有限和に閉じているので,
⋃Ki=1Bi∈Fが成立する.ゆえに矛盾.
よって,
A(C)≡{A:A=K⋃i=1Bi:Bi∈C,i=1,2,…,k,k∈N}⊂F
であるので,A(C)はCを含む最小のalgebraである.
Proof.(b)
C⊂A(C)より,σ⟨C⟩⊂σ⟨A(C)⟩は自明.逆を示す.
A(C)⊂σ⟨C⟩が示されれば,σ⟨A(C)⟩はA(C)を含む最小のσ-algebraであるので,σ⟨A(C)⟩⊂σ⟨C⟩が示される.よって以下では,
A(C)⊂σ⟨C⟩を示す.
任意に⋃ki=1Bi∈A(C),Bi∈Cをとる.
定義よりC⊂σ⟨C⟩であり,σ⟨C⟩有限和に閉じているので⋃ki=1Bi∈σ⟨C⟩である.よって題意は示せた.
Proof.(c)
For any A∈A, there exist {An}Nn=1⊂CN∈N such that A=⋃Nn=1An.
We define Bn as Bn=An∖⋃n−1k=1Ak(1≤n≤N,A0=∅).
Then A=⋃Nn=1An=⋃Nn=1Bn and {Bn}Nn=1 is disjoint.
Moreover,
Bn=An∖n−1⋃k=1Ak=An∩(n−1⋃k=1Ak)c=An∩(n−1⋂k=1Ack)
For any 1≤k≤N, since Ak∈C, there exist disjoint subsets {Akl}Nkl=1⊂C(Nk∈N) such that Ack=⋃Nkl=1Akl.
Therefore
n−1⋂k=1Ack=n−1⋂k=1(Nk⋃l=1Akl)=(N1⋃l=11A1l1)∩(n−1⋂k=2(Nk⋃l=1Akl))=N1⋃l=11n−1⋂k=2Nk⋃l=1(A1l1∩Akl)=⋯=N1⋃l=11N2⋃l2=1⋯Nn−1⋃ln−1=1(A1l1∩A1l2⋯∩A1ln−1)
Therefore
Bn=An∩(n−1⋂k=1Ack)=An∩(N1⋃l=11N2⋃l2=1⋯Nn−1⋃ln−1=1(A1l1∩A1l2⋯∩A1ln−1))=N1⋃l=11N2⋃l2=1⋯Nn−1⋃ln−1=1(An∩A1l1∩A1l2⋯∩A1ln−1)
Therefore, Bn(1≤n≤N) is represented as disjoint finite union of C. Since A=⋃Nn=1Bn and {Bn}Nn=1 is disjoint, A is represented as finite disjoint union of C.
Problem1-20
Given a measure μ on a semialgebra C, let the outer measure induced by μ be μ∗
Then, the following statements satisfy
μ∗(∅)=0A⊂B⇒μ∗(A)≤μ∗(B)μ∗(⋃n≥1An)≤∞∑i=1μ∗(An)∀{An}n≥1⊂P(Ω)(*1)(*2)(*3)
任意のA∈P(Ω) (A⊂R)に対して
GA≡{∞∑n=1μ(An)∣{An}n≥1⊂C,A⊂⋃n≥1An}
と定義するとμ∗(A)=infGAと表せる.
Proof (*1)
GAの定義より任意のx∈G⊂R∪{∞}に対して0≤x.よって,下限の定義より0≤infGA.また∅⊂∅∈C,μ(∅)=0であるのでinfの定義よりinfGA≤μ(∅)=0
Proof (*2)
A⊂BとするとGA⊂GB⊂R∪{∞}.よって,infGA≤infGB⇔μ∗(A)≤μ∗(B)
Proof(*3)
Case1:任意の自然数nに対してμ∗(An)<∞が成立している場合
ϵ>0を任意に固定する.下限の定義より任意の自然数nに対して
∞∑j=1μ(Anj)<μ∗(An)+ϵ2n
を満たす{Anj}j≥1⊂C,An⊂⋃j≥1Anjが存在する.
(Case1-1) ∑n≥1μ∗(An)<∞の場合
M-testより∑n≥1∑j≥1μ(Anj)は収束する.よって
∑n≥1∑j≥1μ(Anj)≤∑n≥1μ∗(An)+ϵ
が成立する.⋃n≥1An⊂⋃n≥1⋃j≥1Anjであることに注意すると,
μ∗(⋃n≥1An)≤μ∗(⋃n≥1⋃j≥1Anj)∵(*2)≤∑n≥1∑j≥1μ(Anj)∵definition of μ∗,cartesian product of countable set is also countable≤∑n≥1μ∗(An)+ϵ
ϵ>0は任意にとったので,(*3)が成立.
(Case1-2)∑n≥1μ∗(An)=∞の場合
(*3)の右辺が∞なので常に成立
(Case2)ある自然数nに対してμ∗(An)=∞が成立している場合
(*3)の右辺が∞なので常に成立
Problem1-22
Let F:R→R be nondecreasing.Then, F has right(left)side limit.
Proof. (right-side limit)
Fix x∈R.
We define sequence {an}n≥1,an≡F(x+1/n).
Since F(x) is nondecreasing, {an}n≥1 is nonincreasing. Moreover F(x)≤an. Therefore {an}n≥1 is convergent, and we can define a≡limn→∞an. We show that
limy↓xF(y)=a
Fix ϵ>0.
Since an is convergent, there exist N∈N such that
n>N⇒0<an−a<ϵ⇔0<F(x+1/n)−a<ϵ
We take δ with δ∈(0,1N+1), and if we consider F is nonincreasing,
0<y−x<δ⇒0<F(y)−a≤F(x+δ)−a<F(x+1N+1)−a<ϵ
Proof. (left-side limit)
It is also proved in the same way, so ignore if you don't care.
Fix x∈R.
We define sequence {an}n≥1,an≡F(x−1/n).
Since F(x) is nondecreasing, {an}n≥1 is also nondecreasing. Moreover F(x)≥an. Therefore {an}n≥1 is convergent, and we can define a≡limn→∞an. We show that
limy↑xF(y)=a
Fix ϵ>0.
Since an is convergent, there exist N∈N such that
n>N⇒0<a−an<ϵ⇔0<a−F(x−1/n)<ϵ
We take δ with δ∈(0,1N+1), and if we consider F is nonincreasing,
0<x−y<δ⇒0<a−F(y)≤a−F(x−δ)<a−F(x−1N+1)<ϵ
G(∞+)≡G(∞)
と定義する.
Proof.(a)(i) G(⋅) is nondecreasing
x = yのときは明らか.
x < yのとき成立しない、すなわちG(x)>G(y)⇔F(x+)>F(y+)が成立すると仮定する.
このときϵ=F(x+)−F(y+)2とするとF(x+)の定義より0<δが存在し,以下を満たす.
0<z−x<δ⇔|F(x+)−F(z)|<ϵ2
同様にF(y+)の定義より,0<δ′が存在し,以下を満たす.
0<v−y<δ′⇔|F(y+)−F(v)|<ϵ2
ゆえにz=x+min{δ/2,y−x2}とすると,上記より|F(x+)−F(z)|<ϵ2.
また0<v−y<δ′を満たすvを1つとると,z<y<vなので
F(x+)<ϵ2+F(z)≤ϵ2+F(v)<ϵ+F(y+)=F(x+)+F(y+)2
より,F(x+)<F(y+)なので矛盾.
Proof. limy↓xG(y)=G(x)
任意にϵ>0をとる.F(x+)の定義よりδ1が存在して,
0<z−x<δ1⇒|F(z)−F(x+)|<ϵ/2
ここで,δ=δ1/2とすると,
0<y−x<δ⇒|G(y)−G(x)|<ϵ
である.
実際上記を満たすyを任意にとるとF(y+)の定義よりδ2>0が存在して,
0<z−y<δ2⇒|F(z)−F(y+)|<ϵ/2
ここで,vをy<v<y+min{δ1/2,δ2}を満たすようにとると,
0<v−x<δ1,0<v−y<δ2が成立するので,
|F(v)−F(x+)|<ϵ/2∧|F(v)−F(y+)|<ϵ/2である.
ゆえに,|F(y+)−F(x+)|<ϵつまり,|G(y)−G(x)|<ϵ
Proof.μF(A)=μG(A)(A∈C)
始めにG((−∞)+)=limx↓−∞G(x)=F(−∞)を示す.
任意にϵ>0をとると,F(−∞)の定義より,C<0が存在して,
x<C⇒|F(x)−F(−∞)|<ϵ/2
が成立.このようなxを任意にとると,G(x)の定義よりδ>0が存在して,
0<y−x<δ⇒|F(y)−G(x)|<ϵ/2
である.ここでz=x+min{c−x2,δ/2}とすると,
(z<C)∧(0<z−x<δ)
であるので,
(|F(z)−F(−∞)|<ϵ/2)∧(|F(z)−G(x)|<ϵ/2)
が成立.ゆえに,|G(x)−F(−∞)|<ϵ
次に本題の証明に入る.
定義よりF((−∞)+)=F(−∞)とright continuousであることに注意すると,μF(A)=μG(A)(A∈C)は明らか.
Proof.(b)
(ak,bk]をbi+1≤aiとなるように並び替えても一般性を失わない.
F(b)−F(a)=F(b)−F(b1)+F(b1)−F(a1)+F(a1)−F(b2)+F(b2)−F(a2)+F(a2)−F(b3)…+F(bk−1)−F(ak−1)+F(ak−1)−F(bk)+F(bk)−F(ak−1)+F(ak−1)−F(ak)+F(ak)−F(a)=F(b)−F(b1)+F(ak)−F(a)+k−1∑i=1F(ai)−F(bi+1)+k∑i=1F(bi)−F(ai)≥k∑i=1F(bi)−F(ai)
ここで,両辺の極限をとると以下が成立.
F(b)−F(a)≥∞∑i=1F(bi)−F(ai)
Proof(c)
始めに以下を示す.
[c,b]⊂K⋃i=1(ai,di)(−∞<c≤b<∞,ai<di)⇔F(b)−F(c)≤k∑i=1F(ai)−F(di)
(ai,di)を以下のように並び替える.
a0=b
for i=1 ++:
if ai−i<c:
$\quad$break
else:
$\quad$(ai,di)は ai−1<dnを満たす(an,dn)の組のなかでanが最小のもの.
上で選ばれたものを{(ai,di)}K′i=1とする.つまり,
K⋃i=1(ai,di)=K′⋃i=1(ai,di)∪K⋃i=K′+1(ai,di)
と表すことにする.このとき,[c,b]⊂⋃K′i=1(ai,di)とai−1<diであることに注意すると,
F(b)−F(c)=F(b)−F(a1)+K′−1∑i=1{F(ai)−F(ai+1)}+F(aK′)−F(c)≤F(d1)−F(a1)+K′−1∑i=1{F(di+1)−F(ai+1)}+F(aK′)−F(c)≤K′∑i=1{F(di+1)−F(ai+1)}≤K∑i=1F(ai)−F(di)
本題の証明に入る.
任意にη>0をとる.
F(c)−F(a)<η,F(dn)−F(bn)<η2n(n≥1)
を満たすようにc(>a)とdn(>bn)をとる.このとき,
[c,b]⊂(a,b]=⋃n≥1(an,bn]⊂⋃n≥1(an,dn)
であることに注意するとHeine-Borel theoremよってK∈Nが存在して,
[c,b]⊂K⋃i=1(ai,di)
とできる.
ここで,(ai,bi)の1番目からK番目までは上記に対応するものに並び替えておく.このとき,[c,b]⊂⋃Ki=1(ai,di)であるので,
F(b)−F(c)≤K∑i=1F(di)−F(ai)=K∑i=1F(di)−F(bi)+F(bi)−F(ai)<η(1−(1/2)K)+K∑i=1F(bi)−F(ai)<η+K∑i=1F(bi)−F(ai)
ゆえに,
F(b)−F(a)=F(b)−F(c)+F(c)−F(a)<(K∑i=1F(bi)−F(ai))+2η≤(∞∑i=1F(bi)−F(ai))+2η
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