1. 近傍枝探索における近傍矩形の大きさ

最終的な主張はTheorem1であり、それを証明するためにLemma1と2を示す。

1.1. Lemma1

, を定める。

半径上の円周上の点をの接線とには2つの交点が存在するが、その2点間の距離(ノルム)をとおくと、の時に最小値をとる

(proof)

対称性よりを満たす円周上の点についてのみ考えれば良いので、以下ではそこに限って話を進める。

一般に半径の円周上の点の接線の方程式は以下で与えられる。 ゆえに円周上の点を通る接線は以下の2点を通る。 この2点間の距離の二乗は極座標表示を用いると以下のように表される。

ここで、 と定義した。ゆえに、上記の問題は開区間におけるの最小値を求める問題に帰着される。まず、の微分を求める。 であるので、 まず、について評価する。

であり、よりであるので、 ゆえに、 続いてを評価する。

の時にであるので 最後にの評価を行う。

でありよりであるので、

つまりのとき

つまりのとき

以上をまとめると、の時でありのときである。

ゆえに、の範囲での時に最小値をとる。

ゆえに、半径上の円周上の点をの接線とには2つの交点が存在するが、その2点間の距離の時に最小値をとる。

1.2. Lemma2

, を定める。

半径の閉円板と共通部分を持つ任意の直線とには2つの交点が存在するが、その2点間の距離(ノルム)をとおくと、の時に最小値をとる。

ただし、軸もしくは軸に平行な直線の場合のみ、交点が無数に存在するので、その時の距離と定める。

上記の結果より、長さが以下の任意の線分はとの共通部分を持つなら、少なくとも片方の端点はに含まれる。

(proof)

(i)原点を通る直線の場合

の2つの交点を持つか、の2つの交点を持つ場合が距離が最小で2点間の距離は

(ii)原点と直線の距離が軸もしくは軸に平行な直線の場合

の場合の距離は仮定の定義よりの場合は距離は

(ii)原点と直線の距離が軸と軸に平行でない直線の場合

Lemma1よりを満たすを通る直線が2点間の距離を最小にし、その時の距離はとなる。

以上より、を通る直線の時、2点間の距離が最小となりその

時の距離は

1.3. Theorem1

道路ネットワークの枝の最大長さが与えられているとする。

位置座標が与えられた時に、その座標との距離が以下である枝を取得したいとする。(ノルムはを用いる)

そのために、少なくとも1つの端点がに含まれる枝を全て抽出するという方法をとるとする。

この時、距離が以下である枝を全て抽出するためのの必要十分条件は

(proof)

Lemma2から従う。

2. Backup

ゆえに元の問題はにおける最小値を求める問題に帰着される。ここでのときとなるのでの分母はに近づく、一方でとなるのでの時はとなる。の時はとおくと、 となるので、 であるので、の時となりとなる。この時となっている。の時も同様の結果が得られるので、を満たす広義の極値のうちが最小のものをLagrange未定乗数法を用いて求める。 であり、の対称性から

Last modified by akirat1993 2020-01-17 09:03:57
Created by akirat1993 2019-12-13 21:00:53

results matching ""

    No results matching ""