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0.1. 有限集合の濃度は一意に定まることの証明の補足

基本的にはここのサイトを参照(日本語)

補題6.1

,

とする.

(1) もし単射 が存在すれば

(2)もし全射が存在すれば

(3)もし全単射が存在すれば

Proof.(2)

の場合は自明なのでの時を示す.に関する帰納法を用いる.

[1] の時

と仮定するとの全射性よりは空集合ではないが,これはに矛盾.ゆえに

[2] の時成立すると仮定してでも成立することを示す.

全射が成立しているとする

[2-1] が存在してを満たす場合

は全射.ゆえにより成立

[2-2]任意のに対しての場合

と定義するとは全単射となるのでは全射

このときであり[2-2]の仮定より任意のに対してよって は全射.

よって帰納法の仮定より

0.2. 濃度を表す関数は測度である

を空でない集合としの部分集合族とする.

上に要素数を表す関数を定義するとは測度となる

(Proof)

まず,以下のように定義するが無限集合の場合はと定義し,任意のに対してとする.

(i),(ii) 任意のに対して, は自明

(iii) 互いに素な任意のに対して を示せば十分

(i) が無限集合であるが存在する場合

一般的に有限集合の任意の部分集合は有限集合であるので,は無限集合であり(左辺).一方,右辺においてはを満たす任意のにおいてとなるのでOK

(ii) 任意のが有限集合かつ,あるが存在して,任意のに対しての場合 となる.(互いに素な有限集合の和集合の要素数はそれぞれの集合の要素数の和になっているいることは集合の要素数の定義から示される 証明略)

任意のに対してであるのでであることに注意すると右辺と一致する.

(iii)任意のが有限集合かつ,任意のに対してあるが存在してを満たすとき.

は無限集合であるので(証明は下記),(左辺)となる.一方で任意のに対して自然数が存在してとなるので(証明は下記), (右辺)となりOK

に対しては有限集合で互いに素とする.

また,任意のに対してかつを満たす自然数が存在するとする.

(途中からが全て空集合とはならない)

この時,は無限集合(有限集合)ではない.

(Proof)

を有限集合だと仮定し,要素数をとする.より大きい自然数を1つ固定する.このときを満たす自然数が存在する(証明は下記).有限集合の有限個の和集合は有限集合であるのでは有限集合でありからへの単射が存在する.また,であるのでからへの単射が存在する.よって,であるがこれはより大きい自然数であることに矛盾.よっては無限集合である.

:有限集合

に対しては有限集合で互いに素とする.

また,任意のに対してかつを満たす自然数が存在するとする.

(途中からが全て空集合とはならない)

この時,任意のに対してを満たす自然数が存在する

(Proof.)

任意のに対してを以下のように定めるとを満たす.

[1]仮想的にと定める

[2]が定まっている時にを以下のように定める

の定義よりに対してかつを満たすが存在するので,このうち一つをとする

(補足証明)

任意のに対してを満たすことを証明する

のときであるのでより成立.

のとき成立すると仮定すると,仮定よりかつを満たすが存在するので,

となり成立.

0.3. 濃度に対応する関数(counting measure)は元集合が可算集合ならσ-finite

を空でない可算集合としの部分集合族とする.

この時上のcounting measure -finiteである

(Proof)

は可算無限集合より自然数の部分集合との間に全単射が存在する.

よってという単集合からなるの部分集合族を考えるとの全単射性から明らかに加算でありとなる

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