[TOC]
1. 教科書
※本文中(地球を回転楕円体とする緯度経度の座標変換)のはの誤りである.
2. 内容
2.0.1. 楕円の方程式から2つの焦点からの距離や離心率が一定であることを示す
楕円の方程式から2つの焦点からの距離が一定であることを示す.
とし楕円の方程式が
で与えられているとする.(を長軸半径semi-major axis, を短軸半径semi-minor axsis)この時と定義する.(後に焦点距離であることが分かる).また方程式を満たす座標を任意にとってくる.このとき,とfocusの距離ととfocusの距離の距離の和はとなる.
また,離心率(eccentricity)を,準線(Directrix)をと定める. このとき,方程式の任意を満たす任意の座標に対して,焦点までの距離と準線までの距離の比はになる.
(Proof) ここで楕円の方程式よりであるので.
同様にしてとなるので
(Proof2)
より
を示せば十分.の定義よりであることと上記の計算より, 離心率について分かりやすい資料
2.0.2. 楕円の方程式から楕円上の点$(x_0, y_0)$における法線ベクトルを求める.
楕円の方程式が
で与えられているとする.このとき,楕円上の点における法線ベクトルは
である.
(Proof)
野村隆昭著 微分積分学講義 > 6.12 条件付き極値問題(p161)を参考にする
関数のレベルの等高線を考え,曲線の法線ベクトルについて考察する.が次の3つを満たしているとする.
- はの近傍で偏微分可能である.
- はの非特異点であるとする.すなわちとしたときに,は成立しないとする.
ここでと仮定する.陰関数定理よりの近傍でと解ける.点におけるの接線は,の点における接線に他ならないから,の傾きは.したがって,の方向ベクトルはであり,関数の勾配との内積を計算すると, 以上の議論はと仮定しても同様であるから,はでの法線ベクトルとなる.
ここで楕円の法線ベクトルについて考える.,を上記の議論に当てはめると,楕円上の点はを満たしであるからはの近傍で偏微分可能であり,となるときはである時に限るからは非特異点である.ゆえにはにおける法線ベクトルである.
2.0.3. 楕円のパラメータ表示
を定数とし,
と定義する.この時の任意の元に対しでを満たすが唯一存在する.
(存在性)
と定義すると,はの元であるので.この方程式は円周を表すので,でを満たすが唯一存在する.このとき,,である.
(一意性)
がを満たしているとすると, より矛盾.